【学習5】勝った時に2歩以上進めたら破産しにくいのか

前回までは勝てば1歩進み、負ければ1歩さがるというルールだったのですが、
今回は『勝った時に、2歩、3歩進めた場合どうなるのか
というテーマを掘り下げて解説していきます。

1歩でもあれだけ進めるのに2歩も進めたら、めちゃくちゃ勝てそうな予感がしますね

2歩進めたら勝てるという単純なものではありませんが、戦術の幅は広がります

1歩と2歩の比較

勝った時に1歩進める場合

例えば、コイントスでトレードの方向を決めたとしましょう。

その場合、勝率は50%になり、『勝てば1歩進み、負ければ1歩さがる』という設定の場合、確率通りならば100回トレードした時に50勝50敗になります。

前に進む力が無いためスタート地点を中心に運の力だけでうろうろします。

その場合近いゴールに届きやすいため、資金は約66.7%の確率で半分になり、約33.3%の確率で2倍になります。

この状態のまま長くトレードを続けるといずれ破産してしまいます。

これは1コマの金額を10万円から1000円に変えても結果は同じで、長い時間をかけたのちに結局破産してしまいます。

勝った時に2歩進める場合

先ほどと同様に、コイントスで売り買いを決めてトレードの方向を決めたとしましょう。

勝った時に2歩進める設定でトレードした場合、1歩の時なら勝てていたポイントで負けてしまうケースが発生します。

その結果、勝率は落ち込み約33.3%になってしまいます。

勝てば2歩進めるとはいえ、このままでは結局破産してしまいます。

しかし、トレードポイントを厳選して勝率が50%になった場合はどうでしょうか。

勝率50%でも、前回まで絶賛していた勝率67%に匹敵するトレード結果になります。

負け1歩に対して勝ちを2歩や3歩に設定した場合、少ない勝率で同等の結果を出せるようになります。

そして、この金額(歩数)の比率をリスクリワード比(RR比)といいます(重要)

リワードとは 報酬、ほうび

安全な資金配分がわかるようになりました

勝率とRR比が分かれば安全な資金配分がわかるようになります。

下の表は安全度確認表です。

この表を使えば資金が2倍に増える確率が約85%~95%(安全圏)になる資金配分がわかります。

例 RR比が2で勝率40%のトレード手法で資金を運用する場合

1マスの金額をスタート資金の5%に設定すれば約85~95%の確率で資金が2倍になることがわかります。

例えば、運用資金100万円でトレードを始めた場合は1マスを5万円に設定すれば、比較的安全に資金を運用できることになります。

注意 上の表は学習の為に計算式に当てはめて作った理論上の表になります。実際のトレードはマイナス要因による補正が必要なため上の表より少し高い勝率が必要となります。

100回トレードをした時に何歩進めているかを予想できるようになりました

勝率とリスクリワード比が分かれば、100回トレードをした時に平均的な成績の人が何歩前に進めているかを予想することができるようになります。

RR比1の場合

勝率67%×1歩=勝ち67歩 負け33歩 67-33=34 34歩進めている

RR比2の場合

勝率67%×2歩=勝ち134歩 負け33歩 134-33=101 101歩進めている

RR比3の場合

勝率67%×3歩=勝ち201歩 負け33歩 201-33=168 168歩進めている

このように計算することができます。

そして、この計算結果がトレードのポテンシャル(可能性)を示す数値になります。

この数値をこの講座では前進力と呼びます(超重要)

前進力を計算できるとどんなメリットがあるのか

メリットは2つあります。

①勝率とリスクリワード比が違うトレード手法を比べることが出来る

トレード手法1 勝率67% RR比1の場合 

 勝ち67歩 負け33歩 67ー33= 前進力34

トレード手法2 勝率50% RR比2の場合 

 勝ち100歩 負け50歩 100ー50= 前進力50

期間中のトレード回数が同じ場合、手法2の方が優れていると判断することが出来ます。

②現状を把握する目安として使うことができる

確率通りに進めば、上のグラフの青線のように資金が増えるトレード方法でも、実際はオレンジ線のように運による上振れ、下振れが発生します。

前進力が分かれば、定期的に上振れ、下振れの起こり具合を確認することができます。

見込み歩数を電卓で計算する場合

前進力 ÷ 100 × 確認したいトレード数 です

ここまでの学習で、資金管理編は終了です
具体的な数字を使っているので、今まで以上に資金管理について理解が深まったと思います
次回から手法編になります

次回